デジタルトランスフォーメーションが各分野でトレンドとなる中、農業もその例外ではない。株式会社Agrihub(アグリハブ)が提供する『Agrihub』は、個人農家の農業日誌を包括的に管理することができる、今までにないスマートフォン向けアプリだ。
一体どんなアプリなのだろう。開発者の伊藤さんにお話を聞いた。
伊藤彰一さん
ーーAgrihubをひとことで言うと?
個人農家に向けた農作業管理アプリです。
ーーどんな方が利用されていますか?
サービスのメインターゲットは個人農家ですが、個人農家以外にも、家庭菜園をされている方や大規模農家の方からもご利用いただいています。現在登録者数は日本全国で6000人で、ユーザーは普段からスマートフォンを使う若い農家の方が中心ですが、45歳以上のユーザーも3割程使っていただいています。
ーーどのように利用するのですか?
農家さんは、栽培している作物と、持っている農薬を登録することで、すぐに全ての機能を使うことができます。持っている農薬を登録すると、アプリ上でどの農薬をどの作物に何回使えるかなどの情報を簡単に確認することができるようになります。Agrihubはスマートフォン向けアプリで、Android、iPhoneのどちらからでも利用することができます。
ーー農家の方の課題は何ですか?
現在でも、農業日誌は手書きが主流です。個人農家が使いやすい農業日誌アプリを探しても、大規模農家の就労管理を目的にしたアプリが多く、個人農家が使いやすいものはあまり無いんですよね。自分自身が農家なので、他社のアプリを利用するうちに個人農家の農業日誌にフォーカスしたもっと便利なアプリが欲しい、それなら自分で作ろう、と考えてAgrihubの開発を始めました。
ーー競合のサービスと比べた強みはなんですか?
現在、農業日誌に関するアプリは大きく3つあって、アグリノートとAgrion(アグリオン)、そして当社のAgrihubです。シェアで言うと他社の方が大きいのですが、それら2つのアプリの主な機能は大規模農家の就労管理で、個人農家の野菜の栽培管理という目的だと使いにくい場合があります。その点、Agrihubは個人農家に向けた農業日誌を目的としているという特徴があります。また、どなたでも使いやすいようにできるだけシンプルでわかりやすいUIを意識して開発しています。
ーーサービスを立ち上げた経緯を教えてください
私は以前はITのベンチャー企業に勤めていました。もともと実家が農家なこともあって、いつかは農業をやろうと考えていたのですが、ちょうどタイミングが重なり、30歳のときに就農しました。
農家にとって作業日誌をつけることはとても重要で、それを便利に管理できるアプリを探していたのですが、自分が使いたいアプリが見つからず、自分で作ることにしたのです。
ーー今までの仕事を辞めて農家になることに迷いはなかったのですか?
迷いはなかったですね。エンジニアでそれなりに技術がついていることを感じていたので農業をやりながらでも自分で受託開発をして生活できるという安心感はありました。現在もAgrihubは全て私一人で開発をしています。
ーーサービスは今後どんな進化をしますか?
まだまだ挑戦したいことや足りない機能があるのでアプリの機能をさらに強化していきたいです。また、今回JAのアクセラレーターに採択していただいたので、JAとの連携を進めることによってより一層Agrihubを便利にしていきたいと思っています。ユーザーの年齢層が高く、スマートフォンを使い慣れていない人も多いため、そこをうまくフォローしながら個人農家の皆さんの悩みを解決すべく、農業のIT化を進めていきたいです。
ーービジョンは何ですか?
Agrihubとしての目標は日本の農業のIT化を進めていくことです。
実は現在、農業のIT化は皆さんが想像している以上に進んでいます。ですが各社バラバラにIT化を進めているため、もっと使いやすくするためには、それらを連携して農業データを一つに集約する必要があると考えています。それを実現するためにも、誰もが利用するようなレベルまでサービスを浸透させ、「農業といえばAgrihub」と言われるような存在になり、Agrihubが中心になって農業のIT化を進めていきたいです。
日本の農業のIT化の「ハブ」として今後の成長に期待したい。
農家が作った農家のためのアプリ『Agrihub』が気になった方はこちら。
取材担当阿久沢
取材させていただけるスタートアップ、募集中。詳しくはこちら。
AIアクセラレーター、募集中。メンタリングを受けた人の感想はこちらやこちら。
30分で取材
掲載無料
原稿確認OK