2015年にSDGs(持続可能な開発目標)が国連サミットで採択されてから5年。持続可能な社会の実現に向けて世界各国が努力をしているが、日本ではどうだろう。
2020年のSDGs達成度17位の日本は、北欧をはじめとするヨーロッパの国々と比べるといまだに改善の余地があると言える。
そんな中、日本でのSDGsの実現に向けAIを活用した取り組みを行なっているのが株式会社Recursice(リカーシブ)だ。何をしている会社なのか、COOの山田さんにお話を伺った。
共同創業者 兼 COO 山田勝俊
ーーRecursiveは一言でいうと何をしている会社ですか?
一言でいうと、SDGsを達成するためのAI開発を行っている会社です。現在は基本的に3つの領域で事業を展開しています。一つ目は協業R&Dです。いろいろな大企業との共同のSDGsの長期的な研究開発を通して既存の社会課題を解決しています。例えば再生可能エネルギーの最適化や、プラスチックに代わる環境に優しい素材の開発、あとはバイオ肉や微生物を活用した食べ物の開発など、まだまだ世界的に研究開発段階の領域をAIテクノロジーを使って一緒に研究開発を進めていきます。
二つ目は、カスタムAIサービスです。こちらは一つ目に比べると短期的にできることにも取り組みたいという考えで、企業さんから「こういったものを作って欲しい」というご要望をいただいてそれを受託開発していくという内容になっています。アイディエーションから支援できることも弊社の強みになっています。カスタムAIサービスの事業も当社のコンセプトであるSDGs×AIにシナジーのある企業さんとの連携を目指しています。
三つ目がサービス開発です。サービス開発はまだ私たちは進めてはいないのですが、協業型R&DとカスタムAIを通じて培ったノウハウを市場の中にチャンスがあればサービス化して少しでも多くの方に使っていただけるような形でサービス展開をしていきたいと考えています。
ーーターゲットはどのような企業ですか?
協業型R&Dの一番の目的は地球環境における気候変動の解決です。エネルギー、食べ物やヘルスケア関連、素材関係が日本的に見てインパクトが大きいのでそれらの関連の企業をターゲットとしています。あくまでもSDGsの実現が一番の目的なのでその方面でシナジーを埋める企業さんと協業していきたいですね。
ーー起業の経緯を教えてください。
私自身は16歳のころにNPOの物語を読んだことをきっかけ社会貢献に目覚めて、当時は貧困の解決に情熱を注いでいました。その思いは社会人になっても変わらず2010年に勤めていた外資系IT企業を辞め、エシカルファッションの日本市場の立ち上げに携わりました。その経験の中で、エシカルファッションのアイデアは素晴らしいものなのですが、やはりどうしてもITの力が必要だと感じることがありました。その後「テクノロジーと農業で貧困を撲滅する」という目標を掲げて2016年にAIのスタートアップに入りました。
CEOでエンジニアのティアゴ・ラマルはポルトガル出身でドイツの大学院を卒業しており、そのこともあってか環境に対しての意識を強く持っていました。実際にティアゴに声をかけてもらって一緒に事業をやることになった際に、私自身がSDGs以外のことはやりたくないというような話をし、彼自身もそれに強く共感してくれて意気投合して『SDGs×AI』の実現を目指し創業しました。
10年前だと早すぎた印象のあるエシカルファッションですが、「ソーシャルビジネスはお金にならない」という固定観念を壊したくて今まで活動してきた成果もあり、現在では企業側の意識も変わり地球環境に良いことにお金を使う人が増えています。SDGsという考えは近年ようやく世の中に浸透してきており、今後ますます注目されていく領域だと考えています。
ーーRecursiveは今後どのような進化をしていきますか?
我々は会社の企業理念として、『公平で持続可能な社会を構築する』ということを掲げています。ですから今後もブレずにそこを目指していきたいと思います。
今後は協業型R&DとカスタムAIを通じて、世の中の人に少しでもサービスやものを身近に感じてもらえるように貢献できればと思っています。最終的にはサービスが普及していくことによって、環境に良いことを実践することや社会貢献をすることがかっこいいという意識が日本でも当たり前になっていってほしいですね。
ーー目指す世界観やビジョンはありますか?
やっぱり人間は地球あってこそだと思うので、みんながその土台である地球環境について知って、意識を持って、共存できる持続可能なより良い社会を作り上げていくような世界観を達成したいと思っています。
我々の事業を通じて少しでも社会全体の環境に対する意識にインパクトを与えて、次の世代の地球がより良い地球になるように貢献していきたいです。
AI の活用によるSDGsの実現を目指すRecursiveに今後も注目していきたい。
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